事実 I |
水俣病フォーラムの展示で、主催者の要約で私の研究を知った鈴木教授が、感想を聞かれ、「メチル水銀がエラから取り込まれるとする『水俣病の科学』は、魚類学の専門家から見てまったくの間違い」という印象批評を公言し、話題になったのが、2005年であるが、同趣旨の論考を水産学会誌に投書として投稿するまで2年以上の期間がある。 |
事実 II |
この期間、鈴木教授は私の個人的討論(非公開)の提案も 公開の討論会の提案も無視または拒否した。批判論文と私の反論との同時掲載も拒否した。そして突然日本水産学会誌に「水俣病の科学の誤り」と題する「研究報告」を一方的に投稿した旨
通知があった。 |
事実 III |
鈴木教授は水産学会誌に掲載「『水俣病の科学』の誤り」と題する論考で藤木教授が環境庁の依頼で行った試験研究の報告書を典拠として利用しているが、これは行政目的の報告書であって環境庁でも未だ非公開であり、非正規コピーを保有する一館を除いて一般図書館、大学図書館でも決して見られない文献である。 |
事実 IV |
この報告書の利用の仕方に次のような許しがたい歪曲引用がある。
1 |
この報告の結論は「食物連鎖よりも(えらを含む)体表面からの吸収による蓄積が主体である」と明確に鈴木教授の主張を否定しているものなのに、この結論を一切引用せず、自説を支持する研究として藤木報告を引用した。 |
2 |
結論を引用しないまでも、実験結果の表あるいは図を引用すればエサからに比してエラからの摂取がはるかに大きいことは一目瞭然なのに、結果を示す図表の引用を一切しなかった。 |
3 |
図表を引用するかわりに実験結果の数値で引用したが、この際エラからの吸収によるメチル水銀濃度の上昇を藤木の図表に示されている値の100分の1に改ざんした。 |
4 |
異常1、2、3の行為はそれ自体研究倫理に大きく違反しており、なんらかの処罰の対象と思われるが、もしこれが藤木報告書を直接に閲覧することはほとんど不可能という事情を知りつつ行ったとすれば重大である。私は鈴木教授に藤木報告のコピーを要求した時の会話から、鈴木教授は閲覧困難ということを十分知っていたはずと推定する。教授が私に電話で伝えた内容は「この文献は東大にはない。私は水俣の住民の人からそれをもらった。汚れたコピーだがそれでよければ送る」だからである。 |
|
事実V |
2007 年9月 鈴木教授の投書が水産学会誌に発表されると、ただちに二つの重要な社会的反響を引き起こした。 |
|
|