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水俣病の科学
西村肇、岡本達明

本書は、実に多くの方からの助力をご教示をいただいて完成しました。そのお名前をすべて挙げることはできませんが、次の方々のお名前を逸するわけにはまいりません。ここに、すべての方々に私たちの心からの謝意を表します。
瀬辺恵鎧(故人)、中村清(故人)、平泉泰(故人)、川岸寛、斉藤泰和、城 久、田井宏和、高橋昇、谷洋一、中村邦彦、原田正純、松田哲成の各氏、水俣病研究会の諸氏。
さらに、本書は赤木洋勝氏との20年以上に及ぶ共同研究が基礎になったことを記して、同氏に深く感謝します。また、原稿完成に至る数年の間、常に面倒な印字化をしてくれた岡本雅子に感謝します。
本書を上梓できたのは、あげて日本評論社の黒田敏正氏のご好意によるものです。
   2001年春
                        西村 肇
                        岡本達明

目次
水俣病の科学
図表目次 
序章
解かれなかった謎 
第1章
水俣のチッソのアセトアルデヒド工場 
1
 チッソ水俣工場の中に入る 
2
 アセトアルデヒド工場の現場 
3
 工場をつくった技術者 一一その技術力と思想 
4
 戦後の技術革新 (1)助触媒の変更 
5
 戦後の技術革新 (2)蒸発方式の変更 
6
 科学的因果関係追求の道を閉ざしたチッソ 
7
 廃水処理の実態と変遷 
第2章
海のメチル水銀汚染 
 幕間対話 
1
 患者の発病時期に関するデータ 
2
 動物にあらわれたメチル水銀中毒 
3
 魚に異変がおこっていた 
4
 底泥の有機物汚染 
5
 底泥の無機水銀汚染 
6
 海水中の水銀はどうだったのか 
7
 水俣湾の生態系 
8
 貝のメチル水銀汚染 
9
 海水中のメチル水銀の挙動と魚の汚染実態 
10
 表層魚のメチル水銀汚染 
11
 メチル水銀排出量の推定 
12
 水俣湾の底生魚の汚染機構 
13
 不知火海の魚の汚染機構 

第3章

メチル水銀の生成から排出まで 
1
 メチル水銀とは 
2
 なぜ水銀が使われたか 
3
 水銀触媒の脱線反応 
4
 メチル水銀の生成機構 
5
 生成機構の実験的証明 
6
 生成機構解明を可能にした新しい化学 
7
 メチル水銀排出量の推定の方法 
8
 メチル水銀生成速度の定式化と決定 
9
 メチル水銀蒸発速度の定式化と決定 
10
 精留塔ドレーンからのメチル水銀排出量の推定 
11
 第1の謎の解明 一一助触媒の変更 
12
 加わったもう一つの原因 
    一一母液廃棄・流出量からのメチル水銀排出量の推定 
13
 第2の謎の解明 一一塩素イオン 
14
 精留塔ドレーンリサイクルの効果 
15
 廃水処理の効果 
16
 海域へのメチル水銀排出量の経年変化と
        水俣病被害進行との関係
 
  結語 
  あとがき 
 [補論] なぜ水銀が有機物に結合するか 
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